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長木の仮伏せから本伏せ【初めてのキノコ栽培(中級編)】

長木の仮伏せから本伏せ04

仮伏せとは?植菌後の原木の管理

長木栽培の原木に菌を植えた後は、梅雨ごろまで、「仮伏せ」という管理を行います。

仮伏せとは、「原木全体に、キノコ菌の菌糸を繁殖させるための作業」のことです。労働的には極端に体力を必要とするわけではありませんし、実作業自体は難しくはありません。

しかし、ここの管理のよしあしが、良い原木になるか、失敗するかの分かれ道で、かなり、経験がモノを言う場面でもあるようです。

 

よく、春休み時期の体験講座などで、キノコの植菌を行って原木を貰って帰ったけれど、キノコが出てこなかった、という話を聞きます。

これは、その後の仮伏せなどの管理を良く理解せずに、適切な管理をしなかったために、キノコ菌が死んでしまったのでしょう。「物置に放置した」「庭に転がしておいたら、変なキノコが生えた」といった話も聞きます。

 

シイタケの天然モノは珍しい、ということをご存知でしょうか?

 

シイタケは栽培しやすいけれど、天然状態では、決して他の菌よりも強いわけではなく、よほど好条件が整わないと、すぐにその他の菌に負けてしまい、生えてくることができません。

ですから、ホダ木栽培は、「どれだけシイタケにとって快適な環境を作って、繁殖しやすくするか?」がツボであり、必ず飛んでくる他の菌に負けないように、しっかりした菌糸をなるべく早く繁殖させることがポイントです。

何も起こっていないように見えるホダ木のなかでも、シイタケ菌と、その他の菌の激しい生存競争が行われているんですね。

 

シイタケ原木の仮伏せ

シイタケ原木は、植菌をしたら、すぐに雨のかからない場所に隙間なく積み上げて、周囲をワラなど保湿性のあるもので包み、毎日水をかけます。ワラは、直射日光を遮るのと、湿気を保つ両方の意味があります。積み上げる最下段は、直接土に触れないよう、枕になるものを置き、地面との間に隙間を作ります。

直接雨がかからなければ、庭の大きな針葉樹の木陰などに積んでも構いません。なるべく直射日光が当たらない場所が理想です。

 

わらが手に入らなければ、古ゴザ、コモなど、農業資材として入手できるものでもかまいませんし、人によっては、古毛布などを利用される方もあるようです。

段ボールで囲って、上だけビニールシートをかぶせても良いでしょう。

雨がかからないとはいえ、ビニールやブルーシートで直接包むのは、湿度と温度が上がりすぎるので望ましくありません。シイタケの場合、通気性が悪いと反対に雑菌が繁殖しやすくなり、上手くいきません。

長木の仮伏せから本伏せ01

2週間ほど、続けたら、今度は一度、ホダ木の入れ替えを行います。ホダ木の山を一旦崩して、ホダ木の山の上下、1本1本の上下を入れ替えて裏返しに積み直します。こうすることで、菌糸がまんべんなく成長するように助けてやります。積み直した後は、同じようにワラやシートなどで覆って、水やり管理を続けます。

この、2週間ごとの詰み直しを繰り返して、梅雨入りまで管理を行います。

この間、運悪く雑菌に感染されてしまうことも非常に多いです。乾燥が激しい年などは、被害が多くなります。

長木の仮伏せから本伏せ02

雑菌に感染されたホダ木の例。

しかし、雑菌がついたから、原木が即ダメになるという訳ではありませんから、そのまま、管理を続けて様子を見ましょう。シイタケ菌が繁殖できているところには、雑菌は伸びられません。シイタケは木の皮のあるところに生えるため、多くの場合、木端などの感染はあっても、シイタケは採れることがほとんどです。

 

 

原木の本伏せ~最終段階は、キノコを収穫する場所へ移動!

梅雨入りをめどに、原木を、キノコを収穫させる場所へ移動して、設置する「本伏せ」を行います。

本業の方によると、初年度は、垂直に近く、2年目は60℃くらい、3年目は30度くらい、その後は地面に寝かせる、と、年々、原木の高さを下げていくものだそうです。プロはこうすることで、原木から採れる量を調整しているのだとか。

長木の仮伏せから本伏せ04

↑3年目のほだ木の様子

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とはいえ、場所の関係もあるでしょうから、必ずしもこの通りでなくても構いません。寝かせるのは、一つは湿度をあげるための方策ですから、水やりなどで維持できるのであれば、それでもOKです。

 

本伏せは、涼しい木陰で、木漏れ日が当たるような環境に置くのが理想的です。シイタケは、家の北側などでは気温が低すぎて良くありません。(我が家では、南面の庭の木陰に伏せています)

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日陰が作れない場合は、遮光シートなどを利用して、日陰を作ってやる方法もあります。

 

本伏せ後は、夏場の水切れに気を付けましょう。朝夕7月8月は水を与えて、乾燥しすぎないようにします。上手くいけば、初年度の秋から収穫ができる場合もあります。通常は、翌年の春から収穫ができるようになります。

 

植菌した原木は、2年目、3年目にキノコ発生のピークを迎えます。4年目からは量は減りますが、太い原木では5年くらいまで楽しむことができるようです。

2年目、3年目は一時にたくさんの量が採れますから、干しシイタケにして保存すれば、発生のない夏・冬にも利用できます。

 

ホダ木の寿命は、カミキリムシの幼虫被害や、雑菌の感染などを受けて、ダメになってしまうこともあります。虫の食害で皮がめくれてしまうようになると、その木はもう、キノコ発生ができません。

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カミキリムシの食害の例。皮と木部のあいだを食害されている。

継続的な栽培をしたい場合は、3年に1度くらいのペースで原木を入手していれば、古い原木がダメになる前に、新しいものが採れ始めるようになります。

 

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