スポンサーリンク


知る人ぞ知る!関西の「大回り乗車」で、プチリッチな小旅行!

読者の皆さんは、「大回り乗車」という言葉を耳にしたことはありますか?

鉄道ファンや旅行ファンの人ならば、「知ってるよ!」という人もおられるのではないでしょうか。

でも、「何それ?」という人も多いと思います。そこで、今回は、大回り乗車とはどういうものなのか、解説をしたいと思います。

 

関西線の伊賀上野駅とディーゼル列車

大回り乗車 関西01

◆「大回り乗車」って何?

大回り乗車とは、JRに乗車する際に、目的地までの「最短距離」で運賃を払い、実際には「遠回り」して目的地に行くことを指します。

ただ、JRであれば、どの路線でも、どの地域でも大回り乗車が可能かというと、そうではありません。大回り乗車が可能なのは、「大都市近郊区間」と呼ばれる、東京や大阪などの大都市圏を走る路線に限定されています。

 

大回り乗車の利用可能路線は、JR東日本のウェブサイトに掲載されています。

https://www.jreast.co.jp/kippu/1103.html

 

大都市近郊区間は、次の5ヶ所が設定されています。

・東京近郊区間

・大阪近郊区間

・福岡近郊区間

・新潟近郊区間

・仙台近郊区間

 

このJR東日本のウェブサイトに書かれている次の文章に注目しましょう。

(以下引用)

●大都市近郊区間内のみをご利用になる場合の特例

図のそれぞれの大都市近郊区間内のみを普通乗車券または回数乗車券でご利用になる場合は、実際にご乗車になる経路にかかわらず、最も安くなる経路で計算した運賃で乗車することができます。

●重複しない限り乗車経路は自由に選べますが、途中下車はできません。途中で下車される場合は、実際に乗車された区間の運賃と比較して不足している場合はその差額をいただきます。

 

 

すなわち、大回り乗車は、JRが運送約款で公認している、合法的な乗り方なのです。

「最短運賃しか払っていないのに遠回りするのは、本当はダメなんじゃないか?」という意見も聞こえてきそうですが、実際にJRが公認している方法なので、まったく問題ありません。

 

◆「大回り乗車」をJRが認める理由

では、なぜJRは、大回り乗車なるものを公認しているのでしょうか。

これは、利用者数や駅数が比較的多く、目的地までの乗り方が何通りも存在する場合、その乗り方ごとに異なる運賃を運賃表や券売機に反映させたり、乗り方ごとに異なる運賃で乗客に切符を購入してもらうのは、JR側にとっても乗客側にとっても煩雑かつ分かりにくくなることから、運賃計算や表示の簡素化を図るために、最短運賃でOKというルールにしたのです。

 

ここまでの説明を聞いて、「ん?」と首をかしげる人もいるのではないでしょうか。

たとえば、「目的地までは最短ルートで行くのが普通じゃないのか?」と思う人もいるでしょう。たとえば、企業が従業員の通勤定期代を支払うような場合には、経済合理性の観点から、最短ルートを使うのが一般的です。

ただし、鉄道など公共交通機関を個人が利用する場合、どの区間にどう乗ろうと、正規運賃さえ払っておれば、それがものすごく遠回りであったとしても、それは当人の自由です。

ですから、JR側としては、最短距離で乗ってもらうのが一般的ではあるけれども、乗客がどんなルートを希望した場合でも対応できるようにしておく必要があります。この、大都市近郊区間における大回り乗車という合法的な乗り方は、JRと乗客双方にとって便利なようにと考案された仕組みなのです。

 

高架駅に生まれ変わったJR奈良駅

大回り乗車 関西02

◆「大回り乗車」のメリット

ここまで述べたように、大都市近郊区間の内部であれば、最短運賃を支払えば、通常では数千円程度掛かるような遠方まで、鉄道に乗って小旅行をすることができてしまいます。すなわち、大回り乗車のメリットは、「最安の運賃で、遠くに行って戻ってこれる」という点にあります。

 

たとえば、東京駅から山手線に乗って、隣の神田駅まで行く場合の運賃は140円です。普通は、東京駅から神田駅の方向に向かう電車に乗って、最短距離かつ最短時間で神田駅という目的地に行きます。しかし、大回り乗車では、東京駅から、神田駅とは逆方向である有楽町方面に向かう電車に乗って、山手線をほぼ1周して、最終的に神田駅にたどり着くという遠回りが可能です。

 

上記の例は、ほんの一例で、実際に利用できるルートはたくさんあります。一見面倒とも思える仕組みですが、鉄道ファンや旅行ファンにとって、利用しない手はありません。

 

 

関西線の非電化単線区間は旅情たっぷり

大回り乗車 関西03

◆「大回り乗車」の注意点

「最安の運賃で、遠くに行って戻ってこれる」と書きましたが、これは、あくまで「改札内に限る」という絶対的なルールが存在します。大回り乗車において、このルールは、最短区間での料金を維持するために、何があっても絶対に厳守しなければなりません。

 

補足しますと、「せっかく遠出したのだから、旅先でグルメを楽しみたい」というニーズには向きません。なぜならば、大回り乗車の最中に改札口を出ると、その駅までの運賃が掛かるからです。遠出した先で改札口を出ないようにするために、タイミングやロケーションによっては、食事にありつけないという事態も起こり得ます。

また、改札口を出られないという点で言えば、トイレに行く場合、改札内であれば問題ありませんが、改札の外にトイレがある場合、これを利用してしまうと、大回り乗車で認められたルールを逸脱することになります。

あと、遠出した先で銀行ATMからお金をおろしたいという場合も、同様の理由でルールを逸脱することになりますので、十分に注意しておく必要があります。

 

あと、「大回り乗車」は、JRが公認している合法的な乗り方ですが、車内検札などの際に、無賃乗車と誤解を受けないように、「大回り乗車」の最中であることを明確に示せるよう、上記のJR東日本のページを印刷して持っておいたり、予定ルートを書いたメモを携帯しておいたりするといった、事前準備をしておくのがおすすめです。

 

 

◆実際に「大回り乗車」をしてきました

筆者は関西在住ですので、「大阪近郊区間」にて「大回り乗車」をしてきました。

事前に以下のルートを立てました。

 

ピンク色に塗ったのが今回乗る路線

大回り乗車 関西04

放出駅(学研都市線) ⇒ 尼崎駅(東西線)

※放出は、「ほうしゅつ」ではなく、「はなてん」と呼びます。関西では

「ハナテン中古車センター」のCMで有名な地名です。

 

尼崎駅(山陽線)⇒京都駅(東海道線)

京都駅(東海道線)⇒近江今津駅(湖西線)⇒近江塩津駅(湖西線)

近江塩津駅(北陸線)⇒米原駅(北陸線)⇒草津駅(東海道線)

草津駅(草津線)⇒柘植駅(草津線)

柘植駅(関西線)⇒久宝寺駅(関西線)

久宝寺駅(おおさか東線)⇒高井田中央駅(おおさか東線)

 

 

大阪、兵庫、京都、滋賀、三重、奈良を回る、プチ贅沢な旅です。

実際に支払う運賃は、放出駅⇒高井田中央駅の120円のみです。

 

 

今回の小旅行の出発地は放出駅
大回り乗車 関西05

◆車内検札もまったく問題なし

ところで、大回り乗車の最中に、湖西線で車内検札に遭遇しました。車掌さんに「放出⇒120円」の切符を見せ、「大回り乗車です」と申し出たところ、まったく問題なく、「ご乗車ありがとうございます」と言って切符に検印を押してくださいました。

大回り乗車 関西06

湖西線から霞みの掛かった琵琶湖を眺める

大回り乗車 関西08

琵琶湖周遊の北端に位置する近江塩津駅

大回り乗車 関西09

◆おわりに

通常ならば10分も掛からずに到着する目的駅に、8時間も掛けて遠回りするのは、一般の人には理解しづらい「変態行為」かもしれません。ただ、鉄道ファンや旅好きの人には、わずかな運賃で小旅行が楽しめるという素敵な乗車手段です。

ただ、この素敵な乗車手段は、大回り乗車中のルールを守ることが大前提です。列車にごとごと揺られながら、流れゆく車窓の景色を楽しみたいというあなたには。もってこいの旅です。ルールを守って、ぜひ試してみられてはいかがでしょうか。

関連記事&スポンサーリンク



サブコンテンツ

このページの先頭へ